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ていねい

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しらかわシリーズVol.29〈鈴木秀美の『新世界』〉 2017.6.10
 C.P.E. バッハ: シンフォニア第1番ニ長調 Wq.183-1(H.663)
 ハイドン: 交響曲第92番ト長調 Hob.I-92 『オックスフォード』
 ドヴォルザーク: 交響曲第9番ホ短調 作品95(B.178)『新世界より』
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今月3回聴く予定にしている名フィルの演奏会、2回目は定員693人と規模の小さなしらかわホールが会場。芸術文化センター・コンサートホール(定員1800人)よりもかなり小さく、フルオーケストラを響かせるホールではない。だからセントラル愛知の定演が迫力に欠ける、と感じる話は今回の主旨とは外れるのでここまで。

さて名フィル。「しらかわシリーズ」はこの小規模のホールで小規模編成の演奏をじっくり聴かせようという意図がよく出ていて味わい深い。といいつつ、プログラムの内容がそれほど "そそる" ものではなく、どちらかというと敬遠していた。

今回も見送りかと思っていたが、ハイドンばっかり振っている鈴木秀美が、昨年4月のしらかわシリーズで「運命」を指揮して大好評。今年は「新世界」だよ、というのでついフラッと(笑)チケットを買ってしまった。

鈴木秀美のファンが多いのだろう、会場はほぼ満席。開演15分前に始まった鈴木のプレトークに少しばかり遅れて到着し、汗を拭きながら話を聞いた。内容はバッハの次男坊が実は社会的に認められた音楽家だったことや、ハイドンがイギリスに旅した帰路にこの次男坊をドイツまで訪ねたが、直前に亡くなっていたこと、ドボルザークとハイドンは接点がなかっただろうが可能性としては、、、といった具合。

次男坊やハイドンの曲は、あまり興味がなかった。が、演奏している面々の表情が楽しそうで、なるほどこんなシーンもありえるのだなぁと思った次第。先週の定演では川瀬賢太郎指揮のタコ12番という大仰な曲で、メンバーの表情も硬かった。(最前列の席だったのでよくわかる。今回は前から4列目)

いよいよ「新世界」。第1楽章と第2楽章はゆっくりめのテンポで、まるでハイドンならこんな感じだろうといわんばかり。メロディメーカーのドボルザークが仕込んだ旋律をていねいに追って、こんなふうに糸を紡いで曲が仕上がっているんだよと説明しているよう。

今回は第一バイオリン8、第二バイオリン8、ビオラ6、チェロ6、コントラバス4の「8-8-6-6-4」とかなりコンパクトな構成。通常の「12-10-8-6-4」や「14-12-10-8-6」といった構成に比べるともの足りない。が、そこから出てくる音はそれほど違和感はなく、たぶんホールが小ぶりな分だけ相対的にたっぷり聞こえるのかもしれない。(それならセントラル愛知の場合は、と脇道に逸れるのはやめておく)

前半は第一バイオリンと第二バイオリンが左右に向かい合う対抗配置、後半の「新世界」では第一バイオリンの向かいはチェロだった。中央奥にコントラバスが並ぶのは同じ。これはこれで安定感たっぷり。

通して聴けば、ある意味正統な「新世界」だったように思う。細部をたっぷり聴かせつつ、全体としてはまとまりのよい音を響かせた。改めて鈴木秀美の魅力はなんだろうと考えると、このていねいな仕上げと、そこで作り上げる世界観のようなものの輝き、といえるか。

終曲後、客席に向かって鈴木は「新世界を初めて指揮しました」と話して客席を沸かせた。そして「ドボルザークの後はドボルザークしかない」とアンコールでスラブ舞曲10番。終わってみれば、今回もいいものを聴いたという満足感にあふれていた。

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